時間単価について

その他

 当地において、特に2021年については、6月から8月にかけてほぼ出勤ができない時期があり、8月に一時帰国し、当地の入国規制もあり戻ってこれたのが、3か月後の11月でした。

 そのようななか、改めて「働くということはなにか」と考えたときに時間単価について意識することが多くなりました。日本国内においても、在宅勤務の導入など、勤務先への出社を伴わない働き方が多くなってきていると思いますが、在宅勤務と職場へ出社して勤務するということは相当程度、前後の時間に無駄が生じます。

 当然、現場に行かなければならない職種も多くあるかと思いますが、事オフィスワーカーにとっては、職場への出社が絶対に必要かというと勤務するための環境さえ整っていれば、在宅勤務であっても、同じアウトプットが出せるのであれば、無駄話をする事もなくなるため、業務にとっては効率的ではないかと思ったところです。

 そのような観点で自分なりに考察したいと思います。

この記事は、働く事のうち在宅勤務と職場勤務の違いについて改めて考察し、時間単価という観点で現在の働き方について、考えるきっかけとなればと考えています。

労働とは

辞書によると
1.からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。「工場で—する」「時間外—」「頭脳—」


経済学的意味もありましたが、今回は前者を参照しようと思います。

収入を得る目的でからだや知能を使って働く、わたしたちが普段、仕事として行っている活動だと思います。他方、この「からだや知能を使って働くこと」の前後活動については特段記述がありません。

わたしが、今回問題提起したいのは、主に労働の前後の時間に生じるアイドルタイムの扱いについてです。

アイドルタイムとは

アイドルタイムを調べると下記のような意味が出てきました。
アイドルタイム【idle time】
交通機関や店などがすいている時間帯。また、機械・工場などで一部の機能・設備が稼働していない時間。遊休時間。

この記事でのアイドルタイムとは労働を行う上で必要となる時間だが、収入を得られる可能性がない活動の時間を指します。

主には、「出勤準備時間」「通勤時間」「サービス残業時間」などを指します。厳密に言うと職場勤務のために購入する洋服を購入する時間(身だしなみ)、クリーニングへ持って行く時間・回収する時間、休日に業務連絡等に対応する時間もそれにあたります。また、職場の人間関係において、当人として重要性を感じていない飲み会等の活動についても、同様です。

職場勤務には無駄が多い(職場勤務のアイドルタイム)

 ここまで、労働とアイドルタイムについて説明してきましたが、在宅勤務を経験したことのある方であれば実体験としてご理解いただけると思いますが、職場勤務には無駄が多くあります。代表的なものは下記のとおりです。

  1. 通勤前の準備時間(身だしなみ)
  2. 通勤時間
  3. 業務とは関係のない無駄話
  4. 職場の人間関係上の会食
  5. 収入に加算されない業務活動

これらすべて、基本的に職場勤務のためのアイドルタイムとなり、収入が伴うものではありません。他方、これらの活動を行わなければ、職場勤務において労働そのものができないまたは、成り立たないものとなるため、収入は伴わないものの、やらなければならない活動となります。

下記は、わたしの場合の平日1日のタイムスケジュールです。
始業時間は8:00からで終業時間は17:00です。当地においては、日本人等外国人については、エキスパート職として労働許可が下りるため、残業代が出ないことや、就業時間管理はおおらかなもので、当地へ赴任した直後は、日付を回ることも多かったのですが、本社からの指導で最近は、18:00より前に退勤するようにしています。(実際、それ以上残った場合と18:00までで切り上げて退勤した場合とを比較してもそれほど結果に影響しない)

一般的な平日のスケジュール


ここでのポイントは、「出勤前の準備時間」、「通勤時間」です。

わたしの場合で、平日1日あたり、2時間30分もそのような時間があります。「出勤前の準備時間」には当然身だしなみも入るのですが、職場へ持って行くお弁当や娘のお弁当の準備時間も含まれます。

仮にこの時間を1週間継続した場合、12時間30分

1か月間で、50時間

1年間で、600時間にもなります。

人によっては、電車通勤などで移動時間中に読書をしたり、仮眠が取れるなどという方もいらっしゃいますが、移動時間が読むよりも、リラックスした自宅やカフェなどで読書をした方が落ち着きますし、ちゃんとしたベッドで寝た方が、疲れも取れると思います。

わたしの問題意識としては、
年間600時間も使っているのにこの時間、まったく収入を生み出していない
ということです。

時間単価について

 次は、時間単価の考え方についてです。

下記は例示です。

始業時間は8:00、就業時間17:00です。ただし、この就業時間に昼食休憩1時間があるが、その時間は勤務時間に含めず、1か月20日間勤務し、就業残業代(残業10時間/月)含めて月収は手取りで25万円です。
この人の1時間の単価はいくらでしょうか。

一般的な計算であれば、8時間 × 20日間 + 10時間 = 170時間
250,000 ÷ 170時間 = 1,471円/時間

答えは、1,471円と言いたいところですが、先ほど説明した職場勤務のアイドルタイムである通勤前の準備時間、通勤時間についても、この計算に含めるとします。

前提に下記をプラスします。
通勤前の準備時間は毎日30分、通勤時間は片道45分、往復で90分かかる。

(30 + 90) × 20日 = 40時間(職場勤務のアイドルタイム)
250,000 ÷ (170時間 + 40時間) = 1,190円/時間(実際の時間単価)

表面上の時間単価が1,471円であったのに対して、実際の時間単価は1,190円まで減少してしまいました。

当然ながら、通勤までの準備の時間(髭剃り・お化粧・髪型のセット等)や通勤時間などそれぞれの時間が延びた場合は、更に時間単価が減少します。

なぜ時間単価が大切なのか

 時間は、1日24時間と決まっています。

これは収入が高い人であっても、収入が低い人であっても、1日の時間は同じです。
※厳密に言えば、収入が高い人は、お金で時間を買うということもできますが、この点については割愛します。
時間単価を高めれば、相対的に労働のために使う時間が減少し、労働以外で人生を豊かにするための活動へ充てることができます。

ここで言う労働とは、いわゆるライスワークという意味です。食べるために労働を行うというものです。

このライスワークから解放されるということは、人生における選択肢を広げる一つとなると考えられるため、時間単価を上げることは重要だと思います。

時間単価を上げるためには

 ここまでで説明したとおり、職場勤務については、職場まで行けなければならないため、「通勤前の準備時間」「通勤時間」などのアイドルタイムが時間単価を押し下げる原因となります。一案としては在宅勤務とすることで、これらの時間を削減することが可能となります。

 職種によって在宅勤務ができないという場合もあるかと思います。この場合は、職場の近くへ引越すことで通勤時間を削減することも選択肢となるかと思います。

 前段で説明したとおり、時間単価を上げることで、人生を豊かにする活動にあたられるようになるとより、選択の幅が広がると思います。

まとめ

  • 職場勤務には無駄が多い
  • アイドルタイムの種類
  • 時間単価を意識する
  • 時間単価を上げられると人生の時間を豊にできる

あなたの人生は、あなたのモノです。
どのようなことにその人生という貴重な時間を使うのか、
自分として、十分に納得できるものに使えるようにしていきたいものですね(自戒)。

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