個人的に色々ありまして、近々に現在のアパートから別のアパートへ引越すことになりました。どのような物件を内見したのか、ホーチミン市内で住むことのできる部屋について紹介したいと思います。
この内容を見ていただくと、ベトナムで一般的に結ばれているアパートの賃貸借契約と日本の違い、今後、赴任でホーチミンへいらっしゃる方、ベトナムでの移住を検討される方について、当地へ行く前にある程度、契約やお部屋について、イメージができるのではないかと思いますので、参考にしてもらえればと思います。
外国人向けのアパートの一般的な条件
わたしがこれまでに契約したアパートの一般的な条件は下記のとおりです。当然ながら、オーナーによっては、ここに記載内容と異なる契約条件を提示するケースもありますが、大体こんなところだと思います。
- 家具付き物件
- 1年契約
- 解約通知は、解約日の1か月前
- 保証金2か月
- 家賃はUSDベースで交渉し、支払はVND
- 契約書は英語とベトナム語
1.家具付き物件
外国人が借りる場合、特に日本本社等からの派遣命令に基づいて赴任する方にとって、家具なし物件の場合、テレビや冷蔵庫、その他の家電、テーブルやソファーなどを一から揃える必要があります。そんな時に重宝するのが、家具付き物件です。おそらく、赴任する方の場合、家賃の全額または一部について、会社からの補助があるため、ほぼ100%そのような物件を選択することになると思います。ただし、家具が揃っている分、家賃は割高になります。
移住などを検討し、10年単位でこちらへ住むことを想定されている方については、自分自身で揃えた方が、お気に入りのモノに囲まれて生活できるため、家具なし物件を選択した方が、良いと思います。
2.1年契約
こちらも外国人向けの契約でよくある話ですが、契約期間が1年固定のところが多いです。ある程度、赴任の期間、住む期間が決まっている方については、この契約でも問題ないと思いますが、異動する可能性がある場合や、契約期間の見通しが立ちずらい方については、この契約自体がリスクになる可能性があります。1年契約した後に1年未満の解約もできますが、多くの契約で保証金の貸主からの返還義務免除(最初に支払った保証金が返ってこない)または、残契約分の家賃の全額支払いなどのペナルティが発生したりします。この辺りは契約書上、特に注意する項目です。契約書上は、Preterminationなどの記載になっている項目です。
ちなみに以前、わたしが実践した方法としては、前任者が退去した後に同じ物件に入ることで、現契約満了までの期間を過ごすというものです。これであれば、途中解約に伴うペナルティが発生しないため、家賃を会社が負担しているケースであれば、会社に損害を発生させないことになります。ただ、前任者が住んでいた部屋に自分が住むということについて、個人として、どう思うかは別の問題ですが・・・。
3.解約通知は、解約日の1か月前
これは、言葉のとおり解約する場合、解約日の1か月前までに貸主へ通知する必要があるというものが当地での賃貸借契約の一般的な条件です。貸主であるオーナー側も、借主が入らなければ、家賃収入が入らないため、彼らも、一生懸命に借主を探し、空室期間をできるため短くしようと動きます。この期間は、オーナーが次の借主を探す期間ということになると思います。
時々、貸主であるオーナー側から、今の物件を他に売却したいため、物件の内見をさせてくれという依頼が来る時があります。これについては、特に都合が悪い等なければ受けてもらっても良いと思います。現に今住んでいる部屋を物件購入希望者に見せるというのは、日本ではあまりない事だと思いますが、当地では結構あります。ちなみに都合が悪ければ、拒否してもらっても問題はありません。その場合は、別の予定があるから部屋にいない等言えば大丈夫です。仮にオーナーと購入希望者との間で、話がまとまれば売買が実行されます。その場合に借主側で気を付ける事としては、現在の契約書の付録を付けるか、別途覚書を締結するのかということになるかと思います。基本的には契約書の条件をそのまま引き継ぐことになるため、オーナーが変更になるからと言って、借主側が不利益を受けるということはありません。ちなみに借りていた部屋が契約満了または、解約を通知した場合、オーナー側から次の賃借希望者へ部屋を見たいから、内見できないかと通知を受けることもあります。これについては、部屋を出る予定が決まっているため、都合が合うのであれば、受けても良いと思います。当然、受けなくても問題ありません。ちなみにわたしの場合は、先日、物件を内見した際、うち2件については現在の借主が居る状態で内見しました。
4.保証金2か月
保証金については、日本でいうところの敷金です。大体の契約において、この期間分くらいの保証金が設定されていますが、当然、貸主側の希望により、変わります。1か月分の場合もあります。東京や大阪の賃貸借契約でよく見られる、礼金や敷引きに類する契約はありません。日本の賃貸借契約の方が、特殊かもしれないです。ちなみに家賃の支払い頻度は、3か月に1回の前払制です。向こう3か月分の家賃を一括で支払いというものです。
5.家賃はUSDベースで交渉し、支払はVND
契約交渉時の賃貸借契約の家賃ベースは、USDで行われます。VNDが外貨に対して毎年漸減するため、オーナー側はUSDで交渉してきます。契約交渉時には、契約に合意した段階でUSDからVNDへ変換するレートを確定させ契約書(VNDで記載)に盛り込むということになります。契約書によっては、USD-VNDのレートを契約更新時に見直すとなっている場合もあります。
6.契約書は英語とベトナム語
これもよくある話ですが、契約書には、英語とベトナム語併記の場合が多いです。これは、外国人の場合、ベトナム語の意味がわからないため、英語を併記するということになります。ただ、注意したい点としては、英語とベトナム語の解釈について、疑義が生じた場合は、ベトナム語が優先されるという記載が多いということです。記載振りについては、改めてベトナム語ー英語の契約書に知見のあるスタッフまたは、弁護士にレビューを依頼しましょう。
内見模様
契約書関係の話が長くなりましたが、ここからは、先日内見した部屋の写真を掲載します。
家賃だけだと1200-1600 USDくらいです。管理費がそれぞれの建物によって異なりますが、1 USD / m2になっているところが多いようです。部屋のスペースが100m2の場合は、100 USD / 月の管理費の支払いが発生します。契約書への記載はその分を含めた総額で記載する事になります。オーナー側によっては、他の月額費用(インターネットTVやインターネット代等)を含めるところ(好意で)もあるため、契約書についてはよく確認しましょう。
まとめ
外国人向けの契約書の概要と部屋の感じを説明しました。日本とは異なる仕様や契約書の考え方などもありますが、わたしがこれまで住んだ他国と比較して、ベトナムの契約書はそれほどの違いはないかと思います。日本とは異なる契約文化を確認しつつ、失敗しない部屋選びができれば良いと思います。
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